下記、先に送った〝立体的な地図制作の手順及び関連情報〟の補足になります。参考までに。
補足.1:Illustratorで地図建物を3D化する手順(自動立体化)
1. ベース建物の準備
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長方形ツール (M) を使って、建物の平面図(俯瞰図の四角形)を描きます。
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例えば「駅ビル」「目的地」などは少し大きめに。
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塗りはグレー(#999999など)、線は無しでOK。
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重要建物は色を変えておく
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緑(公園)、赤やオレンジ(目的地)など。
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後で立体化したときに自然に目立ちます。
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2. 3D効果を適用
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オブジェクトを選択した状態で、
メニュー 効果 → 3Dとマテリアル → 押し出しとベベル をクリック。 -
ダイアログが開いたら、以下を調整:
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位置:アイソメトリック・上(または自由回転で好みの視点へ)
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押し出しの奥行き:建物の高さを表す(例:30〜80pt)
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表面:「標準」や「陰影(ワイヤーフレームでない)」を選ぶと自然に立体感が出る
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ライト設定(右側の光マーク)
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光の方向を調整して影を作る
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光を弱めたり「環境光」を少し上げるとやわらかい印象になる
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3. 複数建物を並べる
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他の建物も同様に長方形で描き、同じように 3D押し出し を適用。
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高さ(奥行き)を変えて「高層」「低層」を表現。
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高層ビル → 奥行き 80pt
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低層住宅 → 奥行き 20pt
など、強弱をつけるとリアルに見えます。
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4. 立体化した後の調整
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拡張するかどうか
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見た目だけでOKなら「効果のまま」保持(編集しやすい)
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最終化するなら オブジェクト → アピアランスを分割 でパス化(形が完全に確定する)
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色の調整
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天面(屋根)を少し明るく、側面を濃いグレーにすると分かりやすい
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必要に応じて「スポイトツール」で全体の色味を揃える
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5. 道路や地図全体に合わせる
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建物を配置したら「道路レイヤー(2D)」の上に乗せる
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建物が浮いて見える場合は「影」を別レイヤーで楕円や長方形を描いて薄い黒を敷く
実務でのコツ
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大量の建物を作ると重くなる → 「アピアランス保持」で作業し、最後に分割する
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拡大縮小してもOKなように → 3D効果はベクターなので拡大縮小自由
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建物ごとに奥行きを変えてリズムを出す → 単調にならない
補足.2:「押し出し後に分割して再着色」する方法(より表現力が広がる)
「押し出し後に分割して再着色」 は、地図制作でよく使うテクニックで、建物に「屋根色」「側面色」「影色」を分けて塗り直せるため、表現力が一気に広がります。
Illustratorで「押し出し後に分割して再着色」する手順
1. 3D押し出しを適用
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建物の平面を長方形で描く。
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効果 → 3Dとマテリアル → 押し出しとベベル を選択。
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奥行き(高さ)を設定し、視点を「アイソメトリック」や自由回転で決める。
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ライト設定で仮の影を確認。
2. アピアランスを分割(パス化)
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押し出しが完了したオブジェクトを選択。
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メニュー オブジェクト → アピアランスを分割 を実行。
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これで「屋根」「側面」「手前・奥の壁」が個別のパスに変換される。
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つまり「平面ベクター化」される。
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※ 注意:ここで分割すると3Dとしての回転編集はできなくなるので、 最初に視点を確定させておく のがポイント。
3. 塗り分け(再着色)
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分割された建物を ダイレクト選択ツール (A) でクリック。
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屋根部分だけを選んで色を変更できる。
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側面は複数の面に分かれているので Shift+クリックで選択。
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色の付け方の例:
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屋根 → 明るめ(白っぽいグレー #E0E0E0)
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正面側 → 基準色(中間グレー #B0B0B0)
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側面/影側 → 暗め(濃いグレー #808080)
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目的地建物 → ビビッドなカラー(赤 #E53935、オレンジ #F57C00など)
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必要に応じて グラデーション を使うとさらに立体感が増す。
4. 微調整
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アンカーポイント編集:側面パスを選択して微妙に色や形を整える。
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影の強調:濃い色の側面をさらに透明度50%くらいにすると「自然な陰影」に。
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統一感:複数の建物を塗るときは、明度差を一定にするとまとまって見える。
5. 実務でよくやる応用
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高層ビルと低層住宅を差別化
→ 高層は縦長の比率で奥行きを強く、低層は控えめ。 -
屋上を白っぽく
→ 地図っぽい「上から光が当たる表現」が簡単に出せる。 -
公園や緑地
→ 建物と同じ要領で押し出して低くし、上面を緑にすれば「立体的な公園」になる。
まとめ
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押し出しで立体化 → アピアランス分割 → 屋根/側面ごとに再着色
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屋根を明るく、側面を暗く塗るだけで「光源の方向」がはっきりする
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目的地だけ色を変えれば自然に目立つ
補足.3:「地図全体をアイソメトリックで統一」する作り方
これは「箱を押し出す」単体の建物表現ではなく、街全体を斜め上から見た「統一視点のマップ」に仕上げる方法です。
Illustratorで地図全体をアイソメトリックに統一する手順
1. ベース作成(下絵とレイヤー)
- Google Maps等で範囲をキャプチャ
・Illustratorに配置し、「下書きレイヤー」にする。
・透明度を下げて作業しやすく。 - レイヤーを分ける
- 道路レイヤー
- 建物レイヤー
- 緑地レイヤー
- アイコン/文字レイヤー
2. アイソメトリックの原理
アイソメ図とは「平行投影」の一種で、
- 縦線 → 垂直のまま
- 横線 → 30°(または 120°)に傾く
というルールで全ての建物・道路を描きます。
Illustratorでは 変形ツール を使えば簡単に「アイソ変換」できます。
3. アイソ変換の基本操作
- 平面図(真上からの長方形や道路の形)を描く。
- メニュー 効果 → 3Dとマテリアル → 3D(クラシック) → 押し出し・ベベル を選択。
- 位置プリセット から「アイソメトリック・上」「アイソメトリック・左」「アイソメトリック・右」を使う。
- 道路 → 「アイソメトリック上」
- 建物の屋根 → 「アイソメトリック上」+押し出し
- 建物の側面 → 自動的に生成される
4. 建物をアイソメで統一
- 各建物を長方形で描く(上から見た形)。
- 「アイソメ上」で変換」し、そのまま押し出し。
- 高さを奥行きで変えて表現(低層:20pt/高層:100ptなど)。
※重要:すべての建物で「同じプリセット」を使うこと。 → 視点が揃う。
5. 道路と緑地
- 道路を真上から描き、アイソメ上に変換。
- 線幅を変えて大小の道路を表現。
- 公園や広場も長方形で作り、アイソメ上に変換。
- 押し出しせず、平面だけを緑で塗ると自然。
6. 文字・アイコンの配置
- 文字は「水平に置く」か「アイソに合わせる」かを決めて統一。
- アクセスマップの場合は 水平文字(読みやすさ重視) が多い。
- アイコン(トイレ・飲食など)は斜めにせず、正面向きのフラットデザインでOK。
7. 最終調整
- 光源を統一(3D効果のライトを1方向に固定)
- 屋根は明るく、側面は暗く(前回説明の再着色テクニック)
- 全体のスケール感を揃える(道路の幅や建物の比率を一定に)
実務でのコツ
- シンボル化:よく使う「住宅」「ビル」「商業施設」は一度作ってシンボルに登録 → 量産が速い。
- 処理が重いとき:作業中は「3D効果のプレビュー」を切り、最後にまとめて分割&再着色。
- 全体統一感:彩度を抑え、目的地だけ強い色にすると「プロっぽいマップ」になる。
👉 まとめると:
- 「アイソメ上」プリセットで道路・屋根を統一
- 建物は高さを押し出しで差別化
- 色と光源を統一して全体をまとめる