2025.09.25【補足】立体的な地図制作の手順及び関連情報

下記、先に送った〝立体的な地図制作の手順及び関連情報〟の補足になります。参考までに。


補足.1:Illustratorで地図建物を3D化する手順(自動立体化)

1. ベース建物の準備

  1. 長方形ツール (M) を使って、建物の平面図(俯瞰図の四角形)を描きます。

    • 例えば「駅ビル」「目的地」などは少し大きめに。

    • 塗りはグレー(#999999など)、線は無しでOK。

  2. 重要建物は色を変えておく

    • 緑(公園)、赤やオレンジ(目的地)など。

    • 後で立体化したときに自然に目立ちます。


2. 3D効果を適用

  1. オブジェクトを選択した状態で、
    メニュー 効果 → 3Dとマテリアル → 押し出しとベベル をクリック。

  2. ダイアログが開いたら、以下を調整:

    • 位置:アイソメトリック・上(または自由回転で好みの視点へ)

    • 押し出しの奥行き:建物の高さを表す(例:30〜80pt)

    • 表面:「標準」や「陰影(ワイヤーフレームでない)」を選ぶと自然に立体感が出る

  3. ライト設定(右側の光マーク)

    • 光の方向を調整して影を作る

    • 光を弱めたり「環境光」を少し上げるとやわらかい印象になる


3. 複数建物を並べる

  1. 他の建物も同様に長方形で描き、同じように 3D押し出し を適用。

  2. 高さ(奥行き)を変えて「高層」「低層」を表現。

    • 高層ビル → 奥行き 80pt

    • 低層住宅 → 奥行き 20pt
      など、強弱をつけるとリアルに見えます。


4. 立体化した後の調整

  1. 拡張するかどうか

    • 見た目だけでOKなら「効果のまま」保持(編集しやすい)

    • 最終化するなら オブジェクト → アピアランスを分割 でパス化(形が完全に確定する)

  2. 色の調整

    • 天面(屋根)を少し明るく、側面を濃いグレーにすると分かりやすい

    • 必要に応じて「スポイトツール」で全体の色味を揃える


5. 道路や地図全体に合わせる

  • 建物を配置したら「道路レイヤー(2D)」の上に乗せる

  • 建物が浮いて見える場合は「影」を別レイヤーで楕円や長方形を描いて薄い黒を敷く


実務でのコツ

  • 大量の建物を作ると重くなる → 「アピアランス保持」で作業し、最後に分割する

  • 拡大縮小してもOKなように → 3D効果はベクターなので拡大縮小自由

  • 建物ごとに奥行きを変えてリズムを出す → 単調にならない

補足.2:「押し出し後に分割して再着色」する方法(より表現力が広がる)

「押し出し後に分割して再着色」 は、地図制作でよく使うテクニックで、建物に「屋根色」「側面色」「影色」を分けて塗り直せるため、表現力が一気に広がります。

Illustratorで「押し出し後に分割して再着色」する手順

1. 3D押し出しを適用

  1. 建物の平面を長方形で描く。

  2. 効果 → 3Dとマテリアル → 押し出しとベベル を選択。

  3. 奥行き(高さ)を設定し、視点を「アイソメトリック」や自由回転で決める。

  4. ライト設定で仮の影を確認。


2. アピアランスを分割(パス化)

  1. 押し出しが完了したオブジェクトを選択。

  2. メニュー オブジェクト → アピアランスを分割 を実行。

    • これで「屋根」「側面」「手前・奥の壁」が個別のパスに変換される。

    • つまり「平面ベクター化」される。

※ 注意:ここで分割すると3Dとしての回転編集はできなくなるので、 最初に視点を確定させておく のがポイント。


3. 塗り分け(再着色)

  1. 分割された建物を ダイレクト選択ツール (A) でクリック。

    • 屋根部分だけを選んで色を変更できる。

    • 側面は複数の面に分かれているので Shift+クリックで選択。

  2. 色の付け方の例:

    • 屋根 → 明るめ(白っぽいグレー #E0E0E0)

    • 正面側 → 基準色(中間グレー #B0B0B0)

    • 側面/影側 → 暗め(濃いグレー #808080)

    • 目的地建物 → ビビッドなカラー(赤 #E53935、オレンジ #F57C00など)

  3. 必要に応じて グラデーション を使うとさらに立体感が増す。


4. 微調整

  • アンカーポイント編集:側面パスを選択して微妙に色や形を整える。

  • 影の強調:濃い色の側面をさらに透明度50%くらいにすると「自然な陰影」に。

  • 統一感:複数の建物を塗るときは、明度差を一定にするとまとまって見える。


5. 実務でよくやる応用

  • 高層ビルと低層住宅を差別化
    → 高層は縦長の比率で奥行きを強く、低層は控えめ。

  • 屋上を白っぽく
    → 地図っぽい「上から光が当たる表現」が簡単に出せる。

  • 公園や緑地
    → 建物と同じ要領で押し出して低くし、上面を緑にすれば「立体的な公園」になる。


まとめ

  • 押し出しで立体化 → アピアランス分割 → 屋根/側面ごとに再着色

  • 屋根を明るく、側面を暗く塗るだけで「光源の方向」がはっきりする

  • 目的地だけ色を変えれば自然に目立つ

補足.3:「地図全体をアイソメトリックで統一」する作り方

これは「箱を押し出す」単体の建物表現ではなく、街全体を斜め上から見た「統一視点のマップ」に仕上げる方法です。

Illustratorで地図全体をアイソメトリックに統一する手順

1. ベース作成(下絵とレイヤー)

  1. Google Maps等で範囲をキャプチャ
    ・Illustratorに配置し、「下書きレイヤー」にする。
    ・透明度を下げて作業しやすく。
  2. レイヤーを分ける
    • 道路レイヤー
    • 建物レイヤー
    • 緑地レイヤー
    • アイコン/文字レイヤー

2. アイソメトリックの原理

アイソメ図とは「平行投影」の一種で、

  • 縦線 → 垂直のまま
  • 横線 → 30°(または 120°)に傾く
    というルールで全ての建物・道路を描きます。

Illustratorでは 変形ツール を使えば簡単に「アイソ変換」できます。


3. アイソ変換の基本操作

  1. 平面図(真上からの長方形や道路の形)を描く。
  2. メニュー 効果 → 3Dとマテリアル → 3D(クラシック) → 押し出し・ベベル を選択。
  3. 位置プリセット から「アイソメトリック・上」「アイソメトリック・左」「アイソメトリック・右」を使う。
    • 道路 → 「アイソメトリック上」
    • 建物の屋根 → 「アイソメトリック上」+押し出し
    • 建物の側面 → 自動的に生成される

4. 建物をアイソメで統一

  1. 各建物を長方形で描く(上から見た形)。
  2. 「アイソメ上」で変換」し、そのまま押し出し
  3. 高さを奥行きで変えて表現(低層:20pt/高層:100ptなど)。

※重要:すべての建物で「同じプリセット」を使うこと。 → 視点が揃う。


5. 道路と緑地

  1. 道路を真上から描き、アイソメ上に変換。
    • 線幅を変えて大小の道路を表現。
  2. 公園や広場も長方形で作り、アイソメ上に変換。
    • 押し出しせず、平面だけを緑で塗ると自然。

6. 文字・アイコンの配置

  • 文字は「水平に置く」か「アイソに合わせる」かを決めて統一。
  • アクセスマップの場合は 水平文字(読みやすさ重視) が多い。
  • アイコン(トイレ・飲食など)は斜めにせず、正面向きのフラットデザインでOK。

7. 最終調整

  • 光源を統一(3D効果のライトを1方向に固定)
  • 屋根は明るく、側面は暗く(前回説明の再着色テクニック)
  • 全体のスケール感を揃える(道路の幅や建物の比率を一定に)

実務でのコツ

  • シンボル化:よく使う「住宅」「ビル」「商業施設」は一度作ってシンボルに登録 → 量産が速い。
  • 処理が重いとき:作業中は「3D効果のプレビュー」を切り、最後にまとめて分割&再着色。
  • 全体統一感:彩度を抑え、目的地だけ強い色にすると「プロっぽいマップ」になる。

👉 まとめると:

  • 「アイソメ上」プリセットで道路・屋根を統一
  • 建物は高さを押し出しで差別化
  • 色と光源を統一して全体をまとめる